Back To You by Selene Gomez MV解説
Back To You by Selene Gomez
2018年6月に公開された曲です。
暗い曲調で、セレーナの落ち着いた切ない声が印象的です。
歌詞についても、別れた相手に対して未練たらたらで「あなたの元に戻る」と何度も繰り返しています。
このMVは一連の物語調になっていて、ざっくりいうとパーティーで出会った金髪の男性と駆け落ちをするというお話です。
ぜひ一度見てみてください。
ではここから大まかにシーンを分けて解説していきますね。
前提として、このMVは1965年のフランス映画 "Pierrot le Fou" をオマージュした作品だそうです。
なので、その映画を知っている方なら随所にその映画を感じられるものが出てくると思います。
私は見たことがなかったのでさっぱりでしたが…
<シーン1>
パーティー会場
最初に流れる音楽がとても不気味で、照明も赤や青、紫にと次々と変化します。
この先起こるであろう不吉なことを暗示しているようです。
このMVの主人公であるセレーナと金髪男性ですが、他の異性と話しているにもかかわらず退屈さがにじみ出ています。目もほとんど合わせてあげませんね。
そしてセレーナは金髪男性に目を付けました。
<シーン2>
駆け落ち
ここから曲が始まります。余談ですがその前に少しだけ移るススキ畑のところとても好きです!
そしてセレーナからの口説き文句が「車を盗みたい?」です。答えは「もちろん」
セレーナから手を差し出して彼を引っ張っていきます。
<シーン3>
赤いオープンカー
窓からパーティー会場を抜け出し、赤いスポーツカーを盗むことに成功します。
その車での会話が、
金髪男性「どこへ行く?」
セレーナ「イタリア、フランス、カナダ、ロシア、ミシガン」
これらの国はセレーナの歴代の彼氏の出身国だそうです。
有名な人でしたら、カナダは Justin Bieber や The Weekend、ロシアなら Zedd がいますね。
金髪男性「なんか、ちょっとセレーナゴメスに似てるよね?」
<シーン4>
夜が明ける
ここで金髪男性がプレイヤーのつまみを回したことで曲が一気に変わり、今までの暗い雰囲気とは不釣り合いなクラシックが流れます。
そして、セレーナが私たちに向かって話しかけます。
「この男信じられる?」
この言葉は金髪男性が曲を変えたことへの不満だと思われます。
<シーン5>
戯れる
緑豊かな芝生いっぱいの場所までたどり着きました。
夜が明けたころから、セレーナの服装が変わっています。
オレンジ色のノースリーブに白いミニスカート。
これは60年代のフレンチスタイルで、このことからもやはり1965年のフランス映画 "Pierrot le Fou" を意識していることが分かります。
お互いの写真やビデオを撮り合います。
このシーンからようやく2人とも楽しんでる感じがでてきて、ようやく退屈から抜け出して幸せを見つけたようです。
ここで金髪男性がリンゴをかじる描写があるのですが、これは禁断の果実を食べて楽園を追放されたアダムの暗喩になります。
つまり、彼は禁忌を犯した男ということです。車を盗んでいる時点でアウトですが。
<シーン6>
指名手配
その後自分たちが車を盗んだ罪で指名手配されていることを知ります。
そこで今後どうするのか考えるのですが、その時にセレーナが読んでいる本が「不貞の物語」。
自分たちの関係が決していいものではないことを悟っています。
セレーナが出した答えは、車を燃やして証拠隠滅をはかることでした。
金髪男性「まさか燃やすだって?あの車は命なんだ。」
セレーナ「牢獄なんて地獄も同然よ。」
そして車は燃え、激しい口論になります。
金髪男性「君は感情的過ぎる!!」
セレーナはどこかへ向かいます。
金髪男性「どこ行くんだよ」
セレーナ「パーティーに戻るの!」
<シーン7>
再びパーティー会場へ
また戻ったはいいものの、始まりの時と同じように退屈そうな2人。
そして再び、「車を盗みたい?」と誘います。「もちろん」
そうしてまたパーティー会場から抜け出すのです。
<まとめ>
このMVでは、赤いオープンカーが愛の象徴として描かれています。
車を盗む=恋に落ちる、関係を持つ
車を燃やす=恋愛を終わらせる
それでもやはり、彼のことが恋しくなって、何回でも繰り返してしまうんですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!